握り締めた愛情の絹糸を綱にしよう

とある解離性同一性障害罹患者の随想録

悪循環のループ

とにかく考え事をしたい気分で、考えることが生き甲斐だから、その生き甲斐を取り戻したい。
考え事が好きになったのが何歳の頃だったかなんて正確なことはわからないけれど、物心ついた時から私は考え事をしていた。


それは周囲の大人達の言うことを何とか理解しようとした自分なりの苦肉の策だったように思う。
周囲の大人達の言うことはめちゃくちゃで言うことが二転三転していっていたのに、私にだけは筋を通すことを求められて辛かった。

 

過去を思い出そうとしたかったわけじゃないのに、気付けば過去のことを思い出してしまっている。

 

いつまでも過去に呪われて、いつまでも過去が今の私に襲いかかってくる。
私だって好きで過去に呪われてるわけじゃない、私だって本当は未来だけを見て生きていきたい。
でもできない。
過去は忘れられない。変えられない。変えてはいけない。忘れてもいけない。
どれだけ過去が悲惨で壮絶だったとしても、変えてはならない。

 


私は自分の過去を肯定してあげたい。
みんなに大変だったねと言われる度に、大変だったと思えない自分が間違ってる感じがして、寂しかった。
壮絶だと思わなければならないと言われているようで、しんどかった。
そしてみんなはこんな壮絶な思いをしていない現実を突きつけられたようで、辛かった。
ずっとずっと寂しかった。


私一人が宇宙人のようで、地球人じゃないと言われているようで。
だから、ずっと私のことに気付いてくれる人が欲しかった。
私のことを見てくれる人が欲しかった。
今ようやく目の前に居てくれるのに、だから、でも。
そんな言葉が続いてしまう。


目の前に居る人を大事にしたいのに、過去に呪われてしまっているから大事にできなくて、できないことがとても辛くて、辛いから症状も出てきて更に辛くなって。
本当に悪循環でしかない。


早くこの悪循環から抜け出したい。
私は私を取り戻したい。

 

2022/08/09