握り締めた愛情の絹糸を綱にしよう

とある解離性同一性障害罹患者の随想録

過去は過去と言い出したのは誰だ

過去は過去だってどうしてそう思考停止できるのか私には理解ができない。
今は過去の積み重ねでできているのに、それらを忘れて無かったことになんてできるはずなんてないのに、どうしてそう簡単に「過去のことは忘れて〜」と簡単に言えてしまうの。

 

「過去は過去」だと言いたくないし思いたくもない、何故なら今は過去の積み重ねであるから。


過去に縛られるなと言いたいのはわかるけれどそれ程まで過去に捕らわれてしまうのは、自分の中で消化できない程の出来事だったから、何年経っても忘れられなくて何度も過去をほじくり返してしまうんだ。

 

「過去を忘れてこれからの未来を生きていこう」とか「過去のことは忘れて将来のことを考えよう」とかいう言葉は、私からすれば過去を"なかったこと"として、今までされてきた事も言われてきた事も仕打ちも全部"許してあげなさい"と他人から強要されているのと同意義に聞こえる。


そこに私の意思や気持ちなんて関係なくて、私が言うことは全て過去のことだから「全部終わった事」として扱われる、たとえ現在進行形でどれだけ苦しんでいようとも。
「終わったこと=無かったこと」として扱われる事がどうしても納得できない。


その気持ちは今でも変わってない。
過去は消えないし、消すこともできない。

 

2020/06/01